聖書は“人間ドラマ” 中東出身の石黒さんが出版 大阪
中東レバノン出身で関西を中心に活躍するエッセイスト、石黒マリーローズさん(69)が、クリスマスを前に「英語で読む 罪と悪の聖書」(コスモピア刊)を出版した。
石黒さんは大阪大などで英語を教えてきたほか、熱心なキリスト教徒とあってキリスト教と英語に関する著書を次々に発表。今回は13冊目にあたる。
同書は世界最大のベストセラー、聖書に描かれている“人間ドラマ”に注目。英文聖書の表現に和訳解説を加えながら、殺人事件、誘惑、性とタブーなど「善」だけでは語れない聖書の三面記事的場面を紹介しており、キリスト教世界の意外な一面に近づける。
英米のメディアなどで聖書の文言が多数引用されている具体例もあげ、英語理解を助けてくれる。わいせつな内容が含まれているとして香港で聖書への抗議運動が起きたエピソードにも触れていて、視点を変えて見つめてみたら面白い聖書の読み方を提示している。
石黒さんは「キリスト教を知らなければ西欧文化の基礎は見えない。聖書の物語やその表現を知り、英語への理解をもっと深めてほしい」と話している。定価1365円。
(2012年12月11日 産経ニュース)