これまで、「単なる編集長の趣味」という誤解を受けることがままあった。残念ながら私自身はガチなオタクリ(オタクなクリスチャン)ではない。ファミコンを買ってもらえない家だったので『ドラクエ』もまともにクリアしたことがないし、『ワンピース』は初期で挫折しているし、『おそ松さん』グッズだって持っていない。ただ、高尚な神学や麗しい教会音楽、建築、美術などに比して、サブカルチャーが教会の中であまりに軽んじられてきたことに対し、不憫な思いを抱き続けてきたことは確かである。
極力、万人に理解できるように、そして教会の宣教に資するようにと編集したつもりではあるが、一部、説明が不十分で「理解不能」な箇所も多々あることをあらかじめお詫びしておきたい。不明な点はぜひ近くの若者を捕まえて尋ねてみてほしい。
最後に一つだけ留意したいこと。蝉丸Pも指摘しているとおり、ただ信者を増やすためだけの「ツール」として安易にサブカルチャーを利用しようという魂胆は捨てたほうがいい。下心は簡単に見透かされる。それよりも、若い世代が日ごろ享受している「異文化」を純粋に楽しみ、共に分かち合うことから始めてみよう。
(2016年11月号 Ministry「編集後記」より)