長崎の教会群を「世界遺産」に 県など、都内でPR
「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界文化遺産登録を目指す長崎県や関係市町は24日、首都圏に教会群の価値や魅力を発信しようと、東京都内でシンポジウムを開いた。
シンポには約400人が参加。長崎県の中村法道知事は「長崎におけるキリスト教伝来と繁栄、弾圧から潜伏、そして250年後の奇跡の復活という一連のプロセスは世界に類例がない。復活から150年となる2015年の登録に向けて力添えをいただきたい」とあいさつ。近藤誠一文化庁長官は「キリシタンが潜伏していた歴史と、その後に建設された教会群との関係を分かりやすくつないでいくことが重要な課題だ」と指摘した。
基調講演では、日本地名研究所長の谷川健一氏が、農民や漁民など潜伏信徒が作り、ひそかに所有することで伝えられた聖書「天地始之事(てんちはじまりのこと)」に書かれている物語について紹介。「教会関係の本を持っていることが分かったら打ち首の刑になる時代。そうした中でどうやって自分たちの信仰を守り、つないでいくか必死の努力をしたと思う」と述べた。
(2012年11月25日 西日本新聞)