100年ぶり重厚な音色 尚絅学院が創設者のオルガン修復

 学校法人尚絅学院(本部宮城県名取市)を創設した米国人宣教師アニー・S・ブゼル(1866~1936年)所有の国産オルガンが修復され、同学院で約100年ぶりに重厚な音色を響かせた。国内に現存する明治時代のオルガンは珍しく、同学院は11月に一般公開を予定している。

 ブゼルと親交のあった卒業生の60代女性(仙台市)が保管していたオルガンを尚絅学院が寄贈を受け、昨年4月から修復作業を進めていた。
 オルガンは25日、ブゼルの肖像画を前に、関係者に披露。賛美歌などが演奏され、部屋には「明治の音」が響き渡った。

 オルガンを弾いた学院事務職員小島里美さん(42)は、小さな本体からわき出る豊かな音量に感動。「このオルガンを弾くのは恐れ多く、夢みたい。きれいではっきりした音が出る上、足踏みの仕方で音も違って魅了される」と話した。

 修復に当たったのは、勝浦オルガン工房(同県石巻市)の勝浦通之さん(52)。当時のオルガンの構造などを伝える史料を取り寄せ、ほぼ原型通りに復元した。
 勝浦さんは「創設者の愛用品でなければ、処分されても仕方ないほど傷みがひどかった。100年前と今をつなぎ直す仕事ができて満足している」と語る。

 勝浦さんによると、オルガンは、国内で最初に製作を手掛けた横浜市の「西川オルガン」製。製造年は1908年と推定される。足踏み式の上下に分けて持ち運びできる型で幅約75センチ、奥行き約35センチ、高さ約85センチ。定期的に点検すれば、今後100年は残せるという。

 同学院は創立記念日の11月24日、宣教師寄宿舎だった明治時代の洋館「エラ・オー・パトリックホーム」(仙台市青葉区)の名取キャンパスへの移築完成式典でオルガンを一般公開し、演奏も披露する。

(2010年3月30日 河北新報)