「反貧困ネットワーク栃木」31日に設立 横断的に支援

 貧困や格差の解消を目指し、県内で支援活動などを行っている個人・団体が互いに連携を図ろうと、「反貧困ネットワーク栃木」を31日、立ち上げる。単独では解決が難しい貧困問題について、さまざまな分野の専門家が情報交換しながら、横断的に取り組んでいく。

 同ネットワークの呼び掛け人を代表して栃木市の内海成和市議らが26日、県庁記者クラブで会見し、「貧困を単に所得が低い状態ととらえるのではなく、誰もが尊厳ある生活を送れることを目指して、幅広い活動をしていきたい」と話した。

 こうした組織は全国的に増えており、同ネットワークによると、東京、長野、広島などに続き、18番目という。呼び掛け人は今月現在で55人。医療・福祉関係者や大学教授、国会・市議会議員、牧師など幅広い分野の専門家が名を連ねる。

 県内では、ホームレスや若年無業者、母子家庭などの貧困問題について個別の取り組みはあったが、不況が深刻化する中で「解決できない問題が多くなり、横のつながりの必要性を感じた」(内海市議)という。ネットワーク化で協力を図るとともに、相談窓口の設置や、行政への政策提言などを行っていく予定。

 31日には宇都宮市駒生1丁目の県教育会館で、設立総会を開く。総会後には貧困問題に詳しい宇都宮健児弁護士が「反貧困のネットワークを広げよう」と題して講演する。時間は午後1時半から。入場は無料。

 設立総会などについての問い合わせは内海市議、電話090・2564・2431(携帯)。

(2009年10月27日 下野新聞)