BBCに非難集中、ガザ義援金運動の放映を拒否
英国放送協会(BBC)が、イスラエル軍による攻撃で大きな被害をうけたパレスチナ自治区ガザ地区市民に義援金を送る運動の放送を拒否したことに非難が集まっている。
BBCは、英国赤十字やオックスファムなどの非政府組織が参加する慈善団体「緊急災害委員会」の活動を、BBCの報道の公平性を損ねる恐れがあるとして放送しない方針を決めた。BBCは義援金が効率的にガザ市民の手に届くかという点にも疑問を呈している。
しかし、この決定に怒った数千人がロンドン中心部で抗議活動を行ったほか、ゴードン・ブラウン首相を始めとする政治家からも批判の声が上がった。議会ではBBCの決定に「驚愕した」という51人の議員が、決定は「説得力も一貫性もない」としてBBCに説明を求める動議に賛成した。
25日に英国国教会の最高指導者であるローワン・ウィリアムズカンタベリー大主教が「BBCは(ガザ市民への)義援金運動を放映すべきだったと思う」と述べたことで、BBCに対する非難はいっそう高まった。
一方、BBCのマーク・トンプソン会長は24日、BBCには「わずかでも放映の公平性を損ねる恐れがある要因を排除する義務がある。これまでに築いてきた報道の公平性を守るための決定だった」と述べた。
(2009年1月26日 AFP)