神学生有志によるセミナーで村上密氏
「社会派と教会派どっちが正しい?」――そんな刺激的なテーマを掲げたセミナーが、3月12~13日、日基教団東美教会(東京都武蔵野市)で行われた。講義を担ったのは、長年カルト問題に携わり、脱会者支援に尽力してきた村上密氏(日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団七条基督教会牧師)。「21世紀の教会を担う神学生&若手牧師による神学セミナー」と銘打った初の試みで、主催したのは東京神学大学、農村伝道神学校、ルーテル学院大学、関西学院大学などの神学生ら有志。牧師を含む15人が参加した。
「教会と権威」との総合テーマに基づき、初日のセッションでは「『権威』という言葉の危険性」「『カルト』と『カルト化』の違い」について講義した村上氏。2日目のセッションで取り上げたのが冒頭のテーマだ。
そもそも「社会派」「教会派」という呼び名は、日基教団内における万国キリスト教館の出展問題に端を発する「反万博闘争」など、1970年代以来の対立から生まれたもの。村上氏は「どちらが正しいかの答えはない」と前置きした上で、両派の主張する政治的・社会的役割も、福音を伝える役割も十分果たせなかったことから「内部対立こそが正しくなかった」「キリストの宣教において、福音を語ることと癒しを行うことは一つだった」と指摘した。
また、カルト問題については両派が協働できたという成果をふまえ、いずれにも属さない第三者の立場から、「勢力拡大のために力を費やし、数が増えたら権威でコントロールしなければならないような伝道一辺倒の体質は危険」「アプローチは多様であっていい。両派の役割は違うが、互いが協力し合いながら福音の前進のために歩んでもらいたい」と希望を語った。
同セミナーの柱は、「教派を横断したさまざまな学校の神学生との交流」「神学生と若手牧師との交流」「運営スタッフは基本的に各神学校の学生により、各学生のニーズに合わせた講師をお招きする」の3点。
実行委員メンバーの一人は、「何もかも手探りの状態でした。神学的、信仰的立場の違いからのトラブルが起こることも覚悟していましたが、そうしたことは起こりませんでした。40年以上前、神学生が教派を超えて交流するため開催されていたインターセミナリー・カンファレンスのような集まりにしていきたいです」と意気込みを語った。
(2012年4月7日 キリスト新聞)
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「社会派と教会派どっちが正しい?」――そんな刺激的なテーマを掲げたセミナーが、3月12~13日、日基教団東美教会(東京都武蔵野市)で行われた。講義を担ったのは、長年カルト問題に携わり、脱会者支援に尽力してきた村上密氏(日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団七条基督教会牧師)。「21世紀の教会を担う神学生&若手牧師による神学セミナー」と銘打った初の試みで、主催したのは東京神学大学、農村伝道神学校、ルーテル学院大学、関西学院大学などの神学生ら有志。牧師を含む15人が参加した。
「教会と権威」との総合テーマに基づき、初日のセッションでは「『権威』という言葉の危険性」「『カルト』と『カルト化』の違い」について講義した村上氏。2日目のセッションで取り上げたのが冒頭のテーマだ。
そもそも「社会派」「教会派」という呼び名は、日基教団内における万国キリスト教館の出展問題に端を発する「反万博闘争」など、1970年代以来の対立から生まれたもの。村上氏は「どちらが正しいかの答えはない」と前置きした上で、両派の主張する政治的・社会的役割も、福音を伝える役割も十分果たせなかったことから「内部対立こそが正しくなかった」「キリストの宣教において、福音を語ることと癒しを行うことは一つだった」と指摘した。
また、カルト問題については両派が協働できたという成果をふまえ、いずれにも属さない第三者の立場から、「勢力拡大のために力を費やし、数が増えたら権威でコントロールしなければならないような伝道一辺倒の体質は危険」「アプローチは多様であっていい。両派の役割は違うが、互いが協力し合いながら福音の前進のために歩んでもらいたい」と希望を語った。
同セミナーの柱は、「教派を横断したさまざまな学校の神学生との交流」「神学生と若手牧師との交流」「運営スタッフは基本的に各神学校の学生により、各学生のニーズに合わせた講師をお招きする」の3点。
実行委員メンバーの一人は、「何もかも手探りの状態でした。神学的、信仰的立場の違いからのトラブルが起こることも覚悟していましたが、そうしたことは起こりませんでした。40年以上前、神学生が教派を超えて交流するため開催されていたインターセミナリー・カンファレンスのような集まりにしていきたいです」と意気込みを語った。
(2012年4月7日 キリスト新聞)
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