遅ればせながら、映画『アバター』を観た。
ジェームズ・キャメロンが構想に14年、
製作に4年以上の歳月を費やして完成させたという3D超大作。
時は西暦2154年。密林に深く覆われた未開の星パンドラを舞台に、
希少鉱物の採掘をもくろむ人類と、神聖な森を守ろうとする
先住民ナヴィとの狭間で、平和的な解決を模索する
主人公ジェイクと科学者たちの奮闘を描く。
「反米・反軍の映画」と称されているとおり、
描かれているのは、大義名分を掲げて幾多の戦争を
仕掛けてきたアメリカの非人道性に他ならない。
主人公が負傷した元海兵隊員という設定も妙にリアル。
ストーリーはいたって単純だが、
やはり映像の迫力はスゴイ
特に、浮遊する岩山の合間を翼竜(?)に乗って
飛行するシーンは鳥肌モノ
昔、TRPGでこういう場面を空想しながら遊んだなぁ…。
前作の『タイタニック』にはガッカリさせられたが、
ハリウッド映画の王道を行った『エイリアン2』や
『ターミネーター2』のエンターテイメント性がツボの
私にとっては個人的に楽しめる作品だった。
ミシェル・ロドリゲスが演じる
元海兵隊のパイロット、トゥルーディ・チャコンは
『エイリアン2』で仲間のために体を張ったバスケスを彷彿させる
(監督はこういう女性がタイプなんでしょうか)。
さらに、かつてこんな記事があったように↓
独自の生態系をもつパンドラには、ユニークな生物や宙に浮く山々、
動植物の生命をつなぐ網状の組織などの描写があり、
どこか宮崎駿監督のアニメと世界観が似ているが…。
「ミヤザキの新作は必ず見ているよ。
実は映画の最後に『もののけ姫』にオマージュを
ささげたシーンがあるんだ」と教えてくれた。
(2009年12月25日 産経新聞)
他にも、ナヴィの森が腐海(ナウシカ)に似ていたり、
希少鉱物のアンオブタニウムは飛行石(ラピュタ)そのものだし、
光り輝く「魂の木」は王蟲(ナウシカ)の触手と同じ癒しの力を持つ。
ジブリファンにとってはマニアックな楽しみもある。
しかし、実はこの映画
一部キリスト教界にはウケが悪いらしい。
問題は、惑星全体に張り巡らされた植物による
神経線維ネットワークで、ナヴィが崇拝する神「エイワ」。
某機関紙では「お薦めしない作品」として次のような記述がある。
「ナヴィたちが拝む女神や霊が、現代人が忘れ、知るべき存在で、
現代人(欧米人)は、身近に触れられるキリストではなく、まだ
知らない神秘宗教やニューエイジという、知られざる優れた宗教が
あるのだから、それに心を向けるべきとのメッセージが含まれている」
「恋愛、友情、環境破壊、侵略戦争反対といった、
人々が心を開きやすい要素がストーリーに組み込まれ、
最新のコンピューター技術で演出されています。
しかし、巧妙にカモフラージュされた中の、
反聖書的な霊的なメッセージに気をつける必要がある」
作品中で描かれた宗教観そのものではなく、
先住民が継承してきた信仰を奪うことの卑劣さ
――かつて「キリスト教国」が犯した罪悪と同類の――
にこそ目を向けるべきではないだろうか。
「登場人物の描かれ方がステレオタイプ」であることも、
「ナヴィの姿が爬虫類人間のよう」で「かわいくない」のも
ご指摘の通りだが、娯楽映画に「聖書の福音」を求めるような
見方は大いに疑問である。
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ジェームズ・キャメロンが構想に14年、
製作に4年以上の歳月を費やして完成させたという3D超大作。
時は西暦2154年。密林に深く覆われた未開の星パンドラを舞台に、
希少鉱物の採掘をもくろむ人類と、神聖な森を守ろうとする
先住民ナヴィとの狭間で、平和的な解決を模索する
主人公ジェイクと科学者たちの奮闘を描く。
「反米・反軍の映画」と称されているとおり、
描かれているのは、大義名分を掲げて幾多の戦争を
仕掛けてきたアメリカの非人道性に他ならない。
主人公が負傷した元海兵隊員という設定も妙にリアル。
ストーリーはいたって単純だが、
やはり映像の迫力はスゴイ
特に、浮遊する岩山の合間を翼竜(?)に乗って
飛行するシーンは鳥肌モノ
昔、TRPGでこういう場面を空想しながら遊んだなぁ…。
前作の『タイタニック』にはガッカリさせられたが、
ハリウッド映画の王道を行った『エイリアン2』や
『ターミネーター2』のエンターテイメント性がツボの
私にとっては個人的に楽しめる作品だった。
ミシェル・ロドリゲスが演じる
元海兵隊のパイロット、トゥルーディ・チャコンは
『エイリアン2』で仲間のために体を張ったバスケスを彷彿させる
(監督はこういう女性がタイプなんでしょうか)。
さらに、かつてこんな記事があったように↓
独自の生態系をもつパンドラには、ユニークな生物や宙に浮く山々、
動植物の生命をつなぐ網状の組織などの描写があり、
どこか宮崎駿監督のアニメと世界観が似ているが…。
「ミヤザキの新作は必ず見ているよ。
実は映画の最後に『もののけ姫』にオマージュを
ささげたシーンがあるんだ」と教えてくれた。
(2009年12月25日 産経新聞)
他にも、ナヴィの森が腐海(ナウシカ)に似ていたり、
希少鉱物のアンオブタニウムは飛行石(ラピュタ)そのものだし、
光り輝く「魂の木」は王蟲(ナウシカ)の触手と同じ癒しの力を持つ。
ジブリファンにとってはマニアックな楽しみもある。
しかし、実はこの映画
一部キリスト教界にはウケが悪いらしい。
問題は、惑星全体に張り巡らされた植物による
神経線維ネットワークで、ナヴィが崇拝する神「エイワ」。
某機関紙では「お薦めしない作品」として次のような記述がある。
「ナヴィたちが拝む女神や霊が、現代人が忘れ、知るべき存在で、
現代人(欧米人)は、身近に触れられるキリストではなく、まだ
知らない神秘宗教やニューエイジという、知られざる優れた宗教が
あるのだから、それに心を向けるべきとのメッセージが含まれている」
「恋愛、友情、環境破壊、侵略戦争反対といった、
人々が心を開きやすい要素がストーリーに組み込まれ、
最新のコンピューター技術で演出されています。
しかし、巧妙にカモフラージュされた中の、
反聖書的な霊的なメッセージに気をつける必要がある」
作品中で描かれた宗教観そのものではなく、
先住民が継承してきた信仰を奪うことの卑劣さ
――かつて「キリスト教国」が犯した罪悪と同類の――
にこそ目を向けるべきではないだろうか。
「登場人物の描かれ方がステレオタイプ」であることも、
「ナヴィの姿が爬虫類人間のよう」で「かわいくない」のも
ご指摘の通りだが、娯楽映画に「聖書の福音」を求めるような
見方は大いに疑問である。
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