講演:97歳の現役医師・日野原重明さん、平和憲法テーマに銀座で31日
◇恨みが恨み呼ぶ大人の戦争
聖路加国際病院理事長の日野原重明さん(97)が31日、中央区銀座2の銀座ブロッサム(中央会館)で、憲法9条をテーマに講演する。現役医師としてそれぞれの命に向き合う傍ら、「子どもたちに平和のメッセージを伝えることが私の使命」と日野原さんは言う。
「恨みが恨みを呼んで報復の連鎖を断ち切ることができない。それが大人の戦争だ」と日野原さん。小学校などでの出前授業では、「自分のごとく相手を恕(ゆる)す勇気を」と説いている。
牧師だった父が戦前、戦中に広島女学院(広島市)の院長を務め、「原爆で多くの生徒たちが犠牲になったことを父は深く悲しんでいた」と振り返る。「人にはみな赤血球があり、白血球がある。いわば同じ泉からできている」。医学的に見ても、「予防医学で大切なのはきれいな空気や水。最高の公衆衛生は戦争がない状態だ」と強調する。
当日は、命や平和憲法に込める自身の思いなどを語る。在日コリアンのピアニスト、崔善愛(チェソンエ)さんがショパンの「幻想即興曲」などを演奏するほか、女優の吉永小百合さんのメッセージも紹介される。
午後1時半から。1300円(当日券)。問い合わせは、女性「九条の会」(平日のみ、03・5367・4671)へ。
(2009年3月29日 毎日新聞)