2009/02

ヨハネ・パウロ2世「平和アピール」に曲

法王のメッセージ 歌に

 1981年2月、当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世が、広島から世界に発信した「平和アピール」に曲を付けた歌が3月1日、長崎市若草町のカトリック城山教会で初めて披露される。作曲した同市在住の小畑郁男さん(57)は「平和への思いを直接的で明確に伝えたアピールを、音楽を通してもっと多くの人に伝えたい」と話している。

 小畑さんは昨年11月、同教会聖歌隊が、ひたむきに練習を積んだ誠実な歌声を響かせる姿を見て、「『いつか音楽に』と温めてきた思いを一緒に実現させたい」と作曲に着手。約2週間で完成させた。タイトルは「神よ、わたしの声を聞いてください」。メロディーと語りかけの部分を織り交ぜた構成とした。

 〈戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です〉

 被爆地・長崎も訪れたパウロ2世が、平和、核兵器廃絶への願いを込めたアピールを、ゆったりとした荘厳な曲調にのせている。

 〈国境や社会階級を超えて、お互いのことを思いやり、将来を考えようではありませんか〉

 当日は、現在の法王ベネディクト16世が元日に発表したメッセージの内容を、山内清海・長崎教区司祭が解説する講演に先立ち、披露される。小畑さんの指揮で、同聖歌隊と聖マリア学院の児童・生徒計約30人が、オルガン伴奏に合わせて合唱する。小畑さんは「パウロ2世のメッセージが、人々の心に染み込んでいくような合唱にしたい」と意気込んでいる。

 3月1日午後2時から。入場無料、信徒以外の参加もできる。問い合わせはカトリック長崎大司教区(095・846・4246)へ。

(2009年2月27日 読売新聞)


米兵暴行 被害女性 支援する神父通しコメント

軍法会議判決証言機会なし

切望届かず 人生 どう始めれば…

 「どう人生をスタートさせてよいか分からない。私が苦しみを乗り越えられるよう祈ってほしい」。二十四日に米軍嘉手納基地で開かれた高等軍法会議の判決を受け、被告への起訴が取り下げられた強姦罪の被害者とされたフィリピン人の女性(22)は二十五日、沖縄タイムスにコメントを寄せ、法廷で証言する機会がなかった悔しさと事件以降の一年間の苦悩を訴えた。

 コメントは女性を支援する教会関係者を介して本紙に届いた。強姦罪の起訴が取り下げられたショックから、二十四日の判決直後に取材に応じなかったことをわびた上で、「一年以上、想像を絶する苦しみを味わってきた。米軍側が事件の捜査をするたび、何度も何度も繰り返し強姦を受けているようだった」と捜査を受ける苦しさを訴えた。

 米軍に対し、唯一望んでいた法廷での証言の機会がなかったことに、「判決はどうであれ受け入れるつもりだったが、米軍は真実を隠した。私の扱いは犬以下だろう」と怒りをぶつけた。

 昨年二月の事件以降、支援者によるデモ活動などで女性が強調してきた「正義」については、「今回の事件から学んだのは、私たちのような貧しい人間にとって正義は存在しないということだった。正義は裕福で力のある人々だけのものだ」とつづった。

 女性を支援してきた神父も同時にコメントを寄せた。「彼女は一年間、『正義のために』と苦しみながら闘ってきた。支援者として望んでいたのは、彼女が法廷で彼女自身の話をする日だった」。証言の機会がないまま軍法会議が終了したことを批判した。

 軍法会議は、日米双方の医師の診断を基に強姦の証拠は不十分だったと判断した。これに対し、神父は「女性は命の危険が及ぶほど大量出血だった」と診断を疑問視した。

 神父によると、女性は近くフィリピンへ帰国する予定という。

 女性は昨年二月に沖縄市で在沖米陸軍特技兵のロナルド・ホプストック被告に暴行されたと訴えた。二十四日の軍法会議で、同被告に問われていた四つの罪のうち強姦罪は棄却された。判決は禁固六カ月、二等兵に降格し、不法行為除隊だった。

(2009年2月26日 沖縄タイムス)


教会で祈る宮崎あおい フジで1日放送

宮崎あおい:悲劇乗り越え、たくましく ルワンダを訪問――フジテレビ系で3月1日

 NHK大河ドラマ「篤姫」の収録を終えた宮崎あおいは、ルワンダへ2週間の旅に出た。大虐殺の傷跡を見た。明るくたくましい現地の人々、豊かな自然ともふれあった。フジテレビ系で3月1日に放送される「宮崎あおい、心にしみるアフリカ」(テレビ静岡制作)。篤姫後、初めてテレビ番組に登場する宮崎は、旅で何を感じ取ったのだろうか。

 虐殺現場となった首都キガリ郊外の教会。遺骨や遺品が残されているその場所に着いた宮崎は、祈った。「入り口に立っただけで、普通じゃなかった。撮影中だから、しゃべらないといけないと思いながらも、言葉を発することができなかった」。国境の町・ギセニに滞在中は、内戦中の隣国・コンゴ民主共和国で飛び交う銃声を聞いた。

(2009年2月26日 毎日新聞)


「ノアの方舟」で神経衰弱

世界にあるおどろきのおもちゃたち

 子どもの創造力ははかりしれない。全く予想だにしない言葉を口にしたり、じゃれているつもりが本気で殴ったりしてくる。しかし大人も負けてはいない。創造力豊かな子ども向けのおもちゃは、もしかしたら子どもよりも創造力にあふれている。今日は、世界の様々な国で親しまれている、子ども向けのおもちゃを紹介したい。

     *     *

 そして最後に紹介したいのが、カードゲーム。神経衰弱は世界でも定番のカードゲームだが、イギリスのオーチャードトイというメーカーが販売している神経衰弱はひと味違う。このゲーム、テーマが「ノアの方舟」という、壮大なカードゲームである。裏返しに広げられたカードの中から、同じ動物の絵柄のカードのペアを探し、方舟に入れていく。ただ、たくさんペアを見つけたらいいわけではなく、大洪水を引き起こす「雨カード」を最後に見つけた人が勝者という、「なるほど!ザ・ワールド」(古っ)もびっくりの大どんでん返しが待ち受けている。楽しみながらキリスト教的世界観を教えたい親御さんにぴったりの逸品である。

(2009年2月26日 exciteニュース)


今月の各誌 2009年2月26日(木)

 福音と世界(3月号)では日基教団隠退牧師・太田愛人の《明治キリスト教の周辺 9》。新渡戸稲造の「武士道」は「発刊当時評判になり、大隈や徳富蘇峰らの評価の言葉が流布したが、御当人に言わせれば……英文と邦文の批評が沢山あった。けれどもその中で植村(正久)先生の批評こそ、最も自分の意を得たものである」と。

 植村の二女恵子は留学先のニューヨークで客死したが、そのことで安倍能成が植村の悲しみにに同感したことを記している。さらに植村の亡き娘を偲ぶ歌が讃美歌479番で、「讃美歌21」には採用されないため忘れ去られる歌となった、と太田の思いが伝わって来る。

 上智大学教授・片山はるひが《太宰治と聖書》を始めた。第1回は概観中心だが、「第二次世界大戦下の精神的沙漠(ママ)の中で、『モラリスト』太宰は、ひたすら聖書によって、人間の生き方の追求を行っていたと言っても過言ではない」と。

 改めて考えさせられるのが「『神は神である』、『人間は人間である』という単純な真実をバルトとフロマートカは、それぞれが置かれた教会の状況の中から再発見した」という佐藤優(起訴休職外務事務官)の《神学の履歴書 20世紀のプロテスタント神学》。

 ていねいに読まないうちに紹介してはいけないが、日基教団まぶね教会牧師・中原真澄の《キリスト教の精神を次の世代に受け継ぐために》の独自の視点に注目。「ミクロな『歴史』こそ、ガリラヤのイエスの眼差しが捉えていた民衆の日常であり、ここにこそ普遍が偏在しているのではないか……」と。


 カトリック生活(3月号)の特集《一致、交わり、平和に向かって》は、中国のカトリック教会の現状を21ページの特集にした。さらにコラム2ページもさいている。始めにイエズス会司祭の山岡三冶が、日基教団牧師・福井二郎の「熱河宣教の記録」に触れている。「第二次大戦の前に外国語大学の教員の仕事を棄てて中国伝道(熱河省)に渡った人です。彼は何もかも不自由な時代と地域で、奥地に奥地にと出かけて行きました。そして彼の人格と信仰にひかれて、大学時代の弟子たちが次々と彼に続きました。若い彼らは夫婦で旅行し、宣教しました。ところが多くは戦乱に巻き込まれ、子どもを失い、配偶者を失い、それでも宣教を続けました。その詳細な報告を読んで、私はじっとしておれませんでした」。香港の事情を、現地在住の元学生YMCA委員長・小出雅生が、台湾については東京・イグナチオ教会の活動グループ「ザビエル会」会長の若林支郎が紹介している。


 福音宣教(3月号)の巻頭特別企画はフランシスコ会司祭の阿部慶太、鹿児島教区司祭の浜崎真実、東京教区司祭の福島一基による《鼎談・主は救いを示し、恵みの御業を現した》の最終回。「教会が自己啓発セミナーのような場になってしまうと、弱い立場の人たちの居場所がなくなってしまう」から「自分に刺さってしまった棘に苦しみもがいている姿をさらけ出して、あるがままの自分でいられるような、温かな共同体」まで、牧する側の声が聞こえる。特集《ドキュメント・光がさすとき》は、「不登校」について、編集スタッフの佐野義寛は居場所のない子どもたちについて報じ、聖パウロ学園高校校長の高橋博が「他者との関わりから、希望を見出す」と。

 《近代日本における信教の自由の歩み――キリスト教とのかかわりから》は立教大学名誉教授の鈴木範久が徳富蘆花の謀叛論とその反響について。

 第二次大戦というか、この前の戦争の体験者が少なくなり、風化している《戦争の記憶》が信徒の友(3月号)で最終回を迎え、これまでの連載に寄せられた反響を20人以上分収録している。会議制をとる日基教団の混乱が続く中、同誌編集者の意気を買いたい。「発言を自由にしていただくために、出席者の名前をイニシャルにしました」ことには違和感を覚えるが、座談会《「主の祈り」の特集をふり返って》に注目。


 《やみは光に勝たなかった――アルコール依存の夫を看取り、今は母を介護しながら》は百万人の福音(3月号)の特集《暮らしと信仰》の中の1本だが、日基教団清瀬旭が丘教会員の西原瑛子の「毎日がとても楽しい」の一言に力づけられる。百歳現役牧師・大嶋常治を取り上げた《人間は口で言った通りになる》。「私はもうだめだと言ったら、だめになる」百年の教訓。
 紙パック入りのジャムやピーナッツクリームの製造元「ソントン食品」の由来、宣教師ジェッシー・B・ソーントンの《今に伝えたいことば》。説教集から「神が私たちに認識するよう願っておられることは、現在の十字架なのです」にからむエピソードを紹介。


 あけぼの(3月号)は《“危機の時代”の「家庭力」》という特集。作家の山田太一とバイオリニストの千住真理子が、家族だけの支えを実感的に語り合う。国際識字文化センター事務局長の黒川妙子に山梨英和大学教授の若林一美がインタビュー。同センターの活動を、地元から発する声が元になって活動が組み立てられていくために、「人々の暮らしにとって何が必要か」という軸がずれない、と見て、「それぞれの国の抱える問題は、決してある地域に限定されるこどではなく、私たちが問題を共有していくことでしか、最終的な解決には至らない」と言う。白梅学園大学学長の汐見稔幸が連載《子育て考現学》で「子どもの遊びの世界が変容し始めたきっかけになった象徴が、日本ではディズニーランドである」と。(こ)


(2009年2月28日 キリスト新聞「雑誌を読む」より)


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