法王のメッセージ 歌に
1981年2月、当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世が、広島から世界に発信した「平和アピール」に曲を付けた歌が3月1日、長崎市若草町のカトリック城山教会で初めて披露される。作曲した同市在住の小畑郁男さん(57)は「平和への思いを直接的で明確に伝えたアピールを、音楽を通してもっと多くの人に伝えたい」と話している。
小畑さんは昨年11月、同教会聖歌隊が、ひたむきに練習を積んだ誠実な歌声を響かせる姿を見て、「『いつか音楽に』と温めてきた思いを一緒に実現させたい」と作曲に着手。約2週間で完成させた。タイトルは「神よ、わたしの声を聞いてください」。メロディーと語りかけの部分を織り交ぜた構成とした。
〈戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です〉
被爆地・長崎も訪れたパウロ2世が、平和、核兵器廃絶への願いを込めたアピールを、ゆったりとした荘厳な曲調にのせている。
〈国境や社会階級を超えて、お互いのことを思いやり、将来を考えようではありませんか〉
当日は、現在の法王ベネディクト16世が元日に発表したメッセージの内容を、山内清海・長崎教区司祭が解説する講演に先立ち、披露される。小畑さんの指揮で、同聖歌隊と聖マリア学院の児童・生徒計約30人が、オルガン伴奏に合わせて合唱する。小畑さんは「パウロ2世のメッセージが、人々の心に染み込んでいくような合唱にしたい」と意気込んでいる。
3月1日午後2時から。入場無料、信徒以外の参加もできる。問い合わせはカトリック長崎大司教区(095・846・4246)へ。
(2009年2月27日 読売新聞)