(2007年・日本/監督 井筒和幸)
映画の舞台は、前作から6年後1974年の東京。難病を患う息子チャンス(今井悠貴)の治療のため、アンソン(井坂俊哉)一家は京都から移り住む。愛する者の命を救おうと奔走する家族。妹のキョンジャ(中村ゆり)は芸能プロダクションからスカウトを受け、芸能界入りを決意。一方、宿敵近藤(桐谷健太)らとの乱闘で知り合った国鉄職員の佐藤(藤井隆)とアンソンは、チャンスの莫大な治療費のために無謀な計画を立てる。
キャストを一新。続編ながら、新たな「パッチギ」ストーリーとして前作を凌ぐ迫力と感動を作り上げた。アンソンの父が戦火をかいくぐりながら逃げ惑う場面は、決して美しくもなく潔くもない戦争の本質をえぐり出す。特に、たたみかけるように迫ってくるラストの舞台あいさつシーンは、涙なしには観られない。
奈良で青春時代を過ごし、幼い頃から偏見や差別を目の当たりにしてきたという井筒和幸監督が、説教ぶることなく、今なお厳然として存在する問題をストレートに突きつける。人種、民族、歴史、戦争……。重いテーマを引きずりながら、監督独特のユーモアとアクションも忘れない。
重病を抱える難役に挑んだ今井君のいじらしい演技が、家族の悲哀をより一層際立たせる。試写会では、「みんなでご飯を食べるシーンが大好き。ご飯も家族みんなで食べると美味しいということを実感しました」と、大人顔負けのコメント。本作の核心を見事に突いた。
「イムジン河」が印象的だった前作に続き、今回も70年代を象徴するバンドを率いた加藤和彦が音楽を担当。副題の通り「愛」と「平和」と、監督をはじめとする製作者の情熱「パッチギ(頭突き、突き破る)」に満ち溢れた作品となった。
映画の舞台は、前作から6年後1974年の東京。難病を患う息子チャンス(今井悠貴)の治療のため、アンソン(井坂俊哉)一家は京都から移り住む。愛する者の命を救おうと奔走する家族。妹のキョンジャ(中村ゆり)は芸能プロダクションからスカウトを受け、芸能界入りを決意。一方、宿敵近藤(桐谷健太)らとの乱闘で知り合った国鉄職員の佐藤(藤井隆)とアンソンは、チャンスの莫大な治療費のために無謀な計画を立てる。
キャストを一新。続編ながら、新たな「パッチギ」ストーリーとして前作を凌ぐ迫力と感動を作り上げた。アンソンの父が戦火をかいくぐりながら逃げ惑う場面は、決して美しくもなく潔くもない戦争の本質をえぐり出す。特に、たたみかけるように迫ってくるラストの舞台あいさつシーンは、涙なしには観られない。
奈良で青春時代を過ごし、幼い頃から偏見や差別を目の当たりにしてきたという井筒和幸監督が、説教ぶることなく、今なお厳然として存在する問題をストレートに突きつける。人種、民族、歴史、戦争……。重いテーマを引きずりながら、監督独特のユーモアとアクションも忘れない。
重病を抱える難役に挑んだ今井君のいじらしい演技が、家族の悲哀をより一層際立たせる。試写会では、「みんなでご飯を食べるシーンが大好き。ご飯も家族みんなで食べると美味しいということを実感しました」と、大人顔負けのコメント。本作の核心を見事に突いた。
「イムジン河」が印象的だった前作に続き、今回も70年代を象徴するバンドを率いた加藤和彦が音楽を担当。副題の通り「愛」と「平和」と、監督をはじめとする製作者の情熱「パッチギ(頭突き、突き破る)」に満ち溢れた作品となった。