■第4話 最後の抵抗
担任の許可のもと、「学活」の時間を2時間
使って校則について話し合った。
その結果、話し合った内容や、すでに行っていた意識調査
(第2話参照)の結果などを、3年●組の名前で校内に掲示する
という案に、クラスのほとんどが賛成した。
しかし、担任は
「掲示するには許可が必要。そういうことは、
マスコミや高校の教師に目をつけられることになる」
などの理由から認めなかった(話し合うだけならOK)。
しかし、このまま引き下がるわけにはいかない。
掲示するのがダメなら――。
当時の学級委員長の助けも借りて
(半ば強引に誘って…!?)、休み時間を返上し
全クラスの学級委員に直接プリントを手渡すという
ゲリラ戦法をとった。無論、担任には内緒で。
その資料には、次のように記した。
このクラス決議をどうにかして他のクラスにも伝えようと、こういう形で全クラスに配りました。みなさんのクラスにも、今の校則について、疑問や不満を持っている人がいると思います。学活などの機会に、クラスの中の意見を交換してみてください。
(中略)
上は話し合いのときに出た意見や、今までの学級での意見の一部です。いくつかのテーマを挙げて、それについての意見を出し合ってみてください。もし話し合ったクラスは、その内容や意見などを代議員(各クラスの学級委員)から出してください。本当は、生徒だけとか先生だけで話し合っても進歩はないと思うんですけど…。やはり、生徒と先生が直接意見を交換できる場がほしいと思います。
3年●組 クラス一同 *原文ママ
当然、その日のうちに噂が広まり、
激怒した担任から学級委員長共々呼び出された。
それもそのはず。クラスの中だけで穏便に済ませようと
思っていたのに、まさに飼い犬に手を噛まれるような
格好になったのだから……。
職員室の奥にある「生活指導室」に入ると、
さっそくどこかで手に入れビッシリと
赤字を書きこんだプリントを前に、担任が座っていた。
「あれほど『目をつけられる』と忠告したのに……」
延々と続いた説教の中身はほとんど記憶にない。
ただ、次の言葉だけは覚えている。
「担任はお前たちの親同然だ。
子どもの心配をしない親がいるか?」
それまで黙って聞いていた私は、不覚にも
この発言を聞いてあふれ出る涙を止められなかった。
それは、決して感動の涙などではない。
親の名を語ってまで生徒たちを黙らせようとする
教師たちの傲慢さに対する憤り
(自分の親は決してこんなことはしない)、
そして最後の抵抗が失敗に終わり、
すべての道が断たれたことの無念さによる涙だった。
あれだけ「話し合え」と言っていたではないか……
こんなに頑張っても分かってもらえないのか……
おそらく担任は、自分の説得を聞き入れ
「涙を流して反省した」とでも思ったのだろう。
満足そうな表情で私たちを教室に帰した。
残された抵抗の手段は、卒業までのわずかな期間。
髪を切らずに伸ばし続けることだけだった。
(第5話 卒業~さらなる落胆 へ続く)
担任の許可のもと、「学活」の時間を2時間
使って校則について話し合った。
その結果、話し合った内容や、すでに行っていた意識調査
(第2話参照)の結果などを、3年●組の名前で校内に掲示する
という案に、クラスのほとんどが賛成した。
しかし、担任は
「掲示するには許可が必要。そういうことは、
マスコミや高校の教師に目をつけられることになる」
などの理由から認めなかった(話し合うだけならOK)。
しかし、このまま引き下がるわけにはいかない。
掲示するのがダメなら――。
当時の学級委員長の助けも借りて
(半ば強引に誘って…!?)、休み時間を返上し
全クラスの学級委員に直接プリントを手渡すという
ゲリラ戦法をとった。無論、担任には内緒で。
その資料には、次のように記した。
このクラス決議をどうにかして他のクラスにも伝えようと、こういう形で全クラスに配りました。みなさんのクラスにも、今の校則について、疑問や不満を持っている人がいると思います。学活などの機会に、クラスの中の意見を交換してみてください。
(中略)
上は話し合いのときに出た意見や、今までの学級での意見の一部です。いくつかのテーマを挙げて、それについての意見を出し合ってみてください。もし話し合ったクラスは、その内容や意見などを代議員(各クラスの学級委員)から出してください。本当は、生徒だけとか先生だけで話し合っても進歩はないと思うんですけど…。やはり、生徒と先生が直接意見を交換できる場がほしいと思います。
3年●組 クラス一同 *原文ママ
当然、その日のうちに噂が広まり、
激怒した担任から学級委員長共々呼び出された。
それもそのはず。クラスの中だけで穏便に済ませようと
思っていたのに、まさに飼い犬に手を噛まれるような
格好になったのだから……。
職員室の奥にある「生活指導室」に入ると、
さっそくどこかで手に入れビッシリと
赤字を書きこんだプリントを前に、担任が座っていた。
「あれほど『目をつけられる』と忠告したのに……」
延々と続いた説教の中身はほとんど記憶にない。
ただ、次の言葉だけは覚えている。
「担任はお前たちの親同然だ。
子どもの心配をしない親がいるか?」
それまで黙って聞いていた私は、不覚にも
この発言を聞いてあふれ出る涙を止められなかった。
それは、決して感動の涙などではない。
親の名を語ってまで生徒たちを黙らせようとする
教師たちの傲慢さに対する憤り
(自分の親は決してこんなことはしない)、
そして最後の抵抗が失敗に終わり、
すべての道が断たれたことの無念さによる涙だった。
あれだけ「話し合え」と言っていたではないか……
こんなに頑張っても分かってもらえないのか……
おそらく担任は、自分の説得を聞き入れ
「涙を流して反省した」とでも思ったのだろう。
満足そうな表情で私たちを教室に帰した。
残された抵抗の手段は、卒業までのわずかな期間。
髪を切らずに伸ばし続けることだけだった。
(第5話 卒業~さらなる落胆 へ続く)









