牧会塾 公開講演 丸山忠孝氏がM・ブツァーの「牧会論」語る


 牧師とその配偶者の継続教育やケアなどを目的に発足した牧会塾(森直樹ディレクター)は2月19日、JECA宣教教会(東京都世田谷区)で、丸山忠孝氏(元東京基督教大学学長)を招いての公開講演会を開催した。丸山氏は学長を退任後、ボストン、シアトルでストラスブルクの宗教改革者マルティン・ブツァー(1491~1551)について研究、執筆を続けてきた。講演で同氏は宗教改革者の中で「最も寛容」とされているブツァーの人物像や宗教改革における位置づけについて解説した。

 初めに、ルターとツウィングリが聖餐におけるキリストの臨在をめぐって対立した時、両者の仲裁に入ったことなどを紹介し、プロテスタントの教会形成において「他者のために」という愛の精神が極めて重要との主張を生涯貫いた「最初のヨーロッパ大の教会人であり、かつ神学者であった」と評した。

 また、宗教改革期のキリスト教社会を「教会と世俗権(国家)を二つの焦点とした楕円」で表し、「為政権が教会役員を任命していた時代に、為政者の統治と、教会における長老の牧会は本質的に区別されなければならないとし、教会の霊的、内面的な領域の自立を強調した」と述べた。

 その上で「改革派の伝統における最初の実践神学書」と言われる『牧会論』から、み言葉と聖礼典に加え第三の印として「教会訓練」の必要性を説いたブツァーが、「すべてのキリスト者が教会訓練に参加し、とりわけ任命された者が専念すべき」「教会訓練は、罪を犯した者に自分の罪を気付かせ、再び彼を慰め、恵みの希望に向けて勇気づけること」と書いた文章を引用。

 「ブツァーは厳しい時代の中で、キリストの愛を教会訓練においても反映させなければならないと説いた。教会訓練を受ける人が愛を感じられなければ、結果的には失敗に終わるのではないか。キリストが教会を愛したという視点を失ってはならない」と結んだ。

 牧会塾では、4月からの受講生を募集している。講義内容や行事予定については牧会塾のサイト(http://www.pastors.jp/)まで。

(2010年3月6日 キリスト新聞)